miki19920309の日記

はきだめ

青春

僕は高校生のとき、高嶺の花の女の子に憧れを抱いておりました。

好きとか、嫌いとかそんな感情はなく、廊下ですれ違うことがあれば目で追ってしまうくらいの話です。
クラスも1年生の時しか同じにならず、事務的な話を2度3度話した程度のことでした。

そして専門学校を出て、就職し、のうのうと繰り返す日々のある日、突然ミクシーのメッセージが飛んできたのです。

送ってきた相手がその高嶺の花子さんでした。
内容はなんてことなく、誕生日おめでとうとそれだけでございました。

僕はとても嬉しく、運命だと思いました。
頑張ってデートに誘って、どうにかこうにかお付き合いすることとなりました。

ですが、高嶺の花子さんは当時大学生。
僕はのらりくらりの社会人。

ちょっとした感覚の違いは否めませんでした。
かと言って、その距離をお互いどうすることもなく、結果的にはさようならすることとなったのです。

 

 

話が変わりまして、僕の実家はいま、空き家でございます。

僕の知らぬ間に、両親が名古屋に部屋を借りたとかで、もぬけの殻になっています。
なので、郵便物等は転送処理がかかっており、名古屋の両親のところに届くわけでございます。

先日、その両親から、僕宛てに手紙が届いてるという連絡がありました。

僕ははっとしました。

とある施設に、当時書いた手紙を5年後に送りますというサービスを行うところがありまして、そこで、高嶺の花子さんと一緒にお手紙をお互いに書いたのでありました。

もちろん忘れていたわけでありませんが、実家はもぬけの殻、僕は東京で一人暮らし。
きっとその手紙を読むことはないのだろうと諦めておりました。

僕はドキドキして、ワクワクして、とにかくその手紙を僕の所へ郵送するよう話をし、それから2日後、手紙が届きました。

 

送り主の名前に懐かしさを覚えながら、封をあけます。
緊張しながら、手紙も読みました。

大したことは書いてありません。
僕らの通った高校の時の話や、付き合い出してからの会話や、そんなくだらないことが、彼女の華奢な字で綴られておりました。

嬉しくて嬉しくて、何度も何度も読み直しました。

いま、彼女がどこにいて、何をしているかは知る由もなく、連絡先すら分からない状況で、よもや結婚なんぞしてても、それでも、5年前、この手紙を書いている時は僕のことだけを考えて書いてくれているはずなのです。

それが5年越しに嬉しく、いま、どんな生活をしているか気になって気になって仕方ないのです。

青春。ヤツは本当に恐ろしい。